Review & Memo


新ルパン三世
99話 『荒野に散ったコンバットマグナム』
 




■あらすじ■

ルパンと次元の前に、ストーンマンというガンマンが現れる。
5年前にできなかった決闘をあさっての同時刻、同じ場所でやり
直そうと言い残して、ストーンマンは去っていった。
5年前、ブランコ公国レオンヒル、午後3時。次元は車が故障して
決闘を約束していた時間にたどり着けず、ストーンマンは待ちぼう
けを食らわされてしまった。
その決着を今度こそつけようというのだ。
次元は決闘のため、ルパンは世界に一枚しかないという金貨のため
にブランコ公国に飛び立つ。
ブランコ公国に到着するや、ルパンは総統官邸に忍び込み、総統の
もつ懐中時計から見事金貨を盗み出す。
その金貨にはカルカゴの英雄、ハンニバルの軍資金の隠し場所が
記されていた。
明日はその財宝をいただきに行くぞと、大張り切りでお宝を入れる
ためのバッグを縫うルパン。
翌朝、次元は一人、ルパンたちの車から降りるやストーンマンとの
決闘場へと向かう。対峙している次元とストーンマンのもとへハン
ニバルの軍資金を手に入れたルパンたちの車が戻ってきた。
ブランコ公国の国境は、毎夕4時に閉鎖されてしまう。
今脱出しなければ捕まってしまうだろう。しかし次元は決闘をやめ
ようとはしない。ルパンは次元に協力を申し出るが、それも断わら
れる。
そこへ、軍資金を取り戻そうと追っ手が現れる。仕方なく次元を置
き去りにしたまま、車を急発進するルパン。
そして五右ヱ門と不二子の非難にも耳を貸さず、そのまま国境目指
して車を走らせた・・・。

そして、約束の3時。次元とストーンマンの決闘が始まった。
と、腰にあるはずのマグナムがない!
ルパンだ。
次元の銃を分解し、国境までの道しるべに部品をばらまいていった
のだ。激しい銃弾の雨の中、必死に部品を拾いながら逃げる次元。
岩陰で部品を組み立てながら「落としていくのは金貨でもよかった
んじゃないのか」と愚痴ってみるが後の祭り。

いよいよ国境が見えてきた。
最後の部品、シリンダーは目の前だ。しかし寸でのところでストー
ンマンに状況を察せられてしまい、あと少しで次元の手にというと
ころでシリンダーはストーンマンの銃弾で遠方に弾き飛ばされてし
まった。と、それを空中で再び弾き飛ばしたのはルパンの銃弾。
それを空中でキャッチした次元がコンマの速さで組み立て、地上に
降り立つと同時に構え撃つ。吹き飛ぶ次元の帽子。
ストーンマンは次元の銃弾を受け、ゆっくりと倒れていった。
大急ぎでルパンたちの待つ車に乗り込むや、猛スピードで閉まりか
けた国境の扉をくぐる。ところが、ほんの少し遅かった。
国境の扉によって車が分断されてしまい、後部座席に乗せていた軍
資金は置き去りに。車のボンネットに座った次元のナビで、夕陽の
ピレネーをあとにするのだった。



■見どころ■ これも有名な原作ネタ。問答無用でオススメの一本。 ポイント1:「スイッチバック作戦」   とっつぁんから逃げるルパンと次元。   車のハンドルを後ろに付け替えればあっという間にバックで走   る車の出来上がり♪名づけてスイッチバック作戦。   思わずウソォ!?と笑いたくなってしまう、このノリがいい。   しかもルパンも次元も追われているにも関わらず楽しそうな   ことこの上なし。更にスイッチ一つで車の塗装を換えて変装。   もはやボンドカーばりの改造車!   車の色を変えて追手の目を逃れるというのは洋画でも常套手段。   それにしてもあの車もルパンが改造したに違いないが、   目を輝かせてあれやこれやと車を改造している姿を想像した   だけでも楽しくなってくるのは私だけか? ポイント2:とっつぁんの目は節穴?   車体を黄色く変えて、ルパンと次元もパパパッと簡単に変装。   そこへとっつぁんのパトカーが・・・   「黄色い車を見なかったか!?」と窓から身を乗り出すとっつ   ぁんに、田舎の青年に変装した次元が   「ダンナ!黄色い車ならよっ、さっきフルスピードで走ってっ   た」。すると、「メルシー!」と手を広げて大喜びで走り去っ   てしまうとっつぁん。   ウソォ!?(笑)   変装と言ってもただ服装と帽子を変えただけ。   なぜバレないんだ!ルパン以外には興味がないのか!?   と思わずツッコミを入れてしまうシーンだが、あか抜けた口   調の田舎っぺな次元が可愛いのだ!   後半でめいっぱい渋い姿を披露してくれるだけにこのギャップ   は印象的。この直後のシーン(嬉しそうに煙草を差し出す次元   とニッコリ笑ってくわえるルパン)も大好きなシーンの1つ。 ポイント3:ストーンマンとの対決。   スピード感がたまらない。走り抜ける次元の動きはさすがテレ   コム。スピードがあるのに動きが丁寧。あとはシリンダーを   取るだけ、というシーンでルパンがワルサーでシリンダーを   弾き返し、次元が空中でキャッチし、身をひねってセットし   撃つ。この間6秒。何度観ても溜息しかでない。 ポイント4:信頼   「ヤツなら大丈夫だ。ハジキを組み立てるくらい目をつぶって    いたってやれる男さ」・・・とはルパンのセリフ。   あれこれ心配する五右ヱ門と不二子とは対照的に、全く心配す   る素振りも見せない。次元の腕とガンマンとしてのプライドを   信じている証拠。それでいていざと言う時には「あうん」の   呼吸で必要最小限のフォローをしている(シリンダーを弾き   返すシーン)。これに痺れないはずがない・・・。 ※余談だが、この回では次元は早撃ち0.7秒の男になっている のも有名な話。
■データ■ <放送日>  1979年9月3日放送 <スタッフ>  脚本/大和屋竺  絵コンテ/吉田しげつぐ  演出/吉田しげつぐ  作画監督/北原健雄、丹内司 <キャスト>  小林勝彦、光田稔、塚田正昭、小出和明、宮下勝、黒部鉄
■プチ用語■ 「ウエスタン次元」  原作「新ルパン三世」23話。この回に相当するエピソード。 ステレオ音声  日本で始めてステレオ音声で放送されたTVアニメ作品。  ただしこの回は半ば実験的なもので、100〜102話はモノラルに  戻る。それ以降はステレオとモノラルの話が混在することに  なる。 オープニングとエンディング  オープニング、エンディングもこの回はステレオ版。  特にオープニングでは今までついていなかった効果音がついて  いる。 次元の鼻  このエピソード用に次元の顔の設定が新たに作られている。  新ルの次元というと鼻が高いのが特徴だが、この回では低めに  描き直されている点に注目。 早撃ち0.7秒  久作のオープニングナレーション以来、次元は  「早撃ち0.3秒」で通っているが、この回では「早撃ち  0.7秒の男」になっている。  アフレコ台本では「0.3秒の男」なのでアフレコ時に言い  間違えたのが、そのまま通ってしまったのだろうか。


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