■あらすじ■
ストーリーは、ビリヤードと拳銃の名手ミネソタ・ファッツの元に、
ドン・ハゲロという男から「次元を消せという電話がかかるところ
から始まる。
処変わってルパンのアジト。次元は庭先で帽子を洗濯。
ルパンと五右ェ門はのんきにトランプを楽しんでいる。
「や〜いババ行った」と浮かれる五右ェ門。
何とも緊張感のないルパンたちの休暇・・・と、突然次元の悲鳴
が。慌てて窓を覗いたルパンの目に飛び込んできたのは、洗濯し
たばかりの次元の帽子が燃えている光景。
必死に消すが、干していた替えの帽子も全て燃えてダメになって
しまった。
帽子がなくなり死を覚悟する次元に、たかが帽子くらいでと怒る
ルパンと五右ェ門。
そこへ１本の電話がかかる。
「ロイヤルホテルの564号室にいる。いつでも相手になるから来い
と次元に伝えろ」。
この電話の主こそ、次元の帽子を燃やした犯人に違いない。
ルパンは、単身ホテルに乗り込む。
ホテルでビリヤードを興じていたのはミネソタ・ファッツ。
そこには次元の研究本が・・・。
ファッツは、次元が拳銃を撃つときにツバ先で狙いをつけている
ことを突き止め、帽子を焼いたのだ。
ルパンも「そこまで知られているんじゃ仕方がない」とワルサーを
抜いた。ところが勝負はミネソタ・ファッツの圧勝。
ルパンは彼の改造したビリヤード銃で反撃され、手も足も出ない。
それどころかアッチに逃げてもこっちに逃げても追いかけてくる
弾に、逃げ出すのがやっと。
それを見た五右ェ門がならば拙者が、と乗り込むが、すでにファッ
ツの姿はそこにはなかった。
山中で拳銃の特訓を始める次元。
勘を取り戻すため、シルクハットや海賊帽をかぶって試してみる
ものの、てんで的には当たらない。
終いには、やってきた不二子に似合わぬ帽子姿を笑われて、赤面
してルパンの後ろにすごすごと隠れる始末。
しかしここで新たな真相を知ることができた。
不二子の情報によると、ビッグマックカンパニーの社長ガッポリ
ーニが、遺言で「世界一拳銃の上手い男に遺産を相続させる」と
言ったらしい。そこで副社長のドンハゲロがファッツを雇い、拳
銃ナンバーワンの座を狙ったのだ。
それを知った次元は、男として勝負を受ける決心をする。
次元はファッツをアルプスの雪山に連れ出した。
弾を跳ね返すための硬い壁がないここなら、ビリヤード銃もただ
の銃。しかしファッツも銃の名手。
的に当たらない次元に勝機はない。
ファッツの撃った銃弾が次元の左肩を掠める・・・
と、次の瞬間、その銃声が雪崩を引き起こした。
あっという間に雪崩に飲まれるファッツ。
次元は間一髪のところをルパンたちのヘリに助けられる。
一発の銃声が、雪山では巨大な凶器に変わる。
そう、雪崩が起こることも全て計算のうちだったのだ。
不二子が用意した代わりの帽子を被り、満足げにヘリから拳銃を
構える次元。
銃弾は見事、眼下の教会の鐘に命中。
雪山に鐘の音が高らかに鳴り響くのだった。
■見どころ■
ポイント１：次元、次元、次元。
不二子に帽子を指摘されて真っ赤になってルパンの影に
隠れる次元。
勝ち目がなくても男のプライドを賭けて勝負に臨む決心を
した次元。
このギャップがいい。珍しく弱音を吐く次元や、焦る次元
などとにかくいろいろな次元を楽しめる回。
ポイント３：間接的な武器
雪山で雪崩を起こすというルパンのアイディアが実に秀逸。
なるほど！流石はＩＱ３００！！と唸ってしまう。
ポイント４：必見・・・？
ババ抜きで信じられないはしゃぎ方を見せる五右衛門。
『イヒヒヒ〜ヒ〜♪』
・・・う〜ん、何かが憑依したらしい。
ここまで壊れた五右ヱ門は数年に一度見られるかどうか
というくらい貴重。
ポイント５：最大のポイント
「次元の全て」
「次元大百科」
「次元アズナンバーワン」・・・
そんなに出ていたのか！！！！と驚かずにはいられない。
もちろん欲しいと思ったのは私だけではないはず。
というかルパンや次元たちはこの本の存在を知っていたの
だろうか。
ルパン・・・あの後こっそり盗んでたりして？（笑）
■データ■
<放送日>
1980年9月15日放送
<スタッフ>
脚本／杉村のぼる
絵コンテ／石黒昇
演出／石黒昇
作画監督／北原健雄、朝倉隆
<キャスト>
渡部猛、加藤精三、水島鉄夫、肝付兼太
■プチ用語■
次元の帽子
サイズ58.25センチ、厚さ1.5ミリ、ゾウアザラシのオス４歳
のお腹の皮。洗濯は手洗い。
ミネソタ・ファッツ
彼が研究した次元に関する本は「次元百科」「次元大介の
すべて」「次元アズナンバーワン」。
「次元アズナンバーワン」は当時大流行した「ジャパン
アズナンバーワン」という本から取ったらしい。
巨人の星
次元の勇姿に感動した銭形の歌った鼻歌は「巨人の星」。
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