Review & Memo


新ルパン三世
149話 『ベールをはいだメッカの秘宝』
 




■あらすじ■

不二子がマホメットの宝の情報を持ってきた。今回のターゲット
はこれだ。ルパンたちは聖地メッカへと向かう。

偵察のため、カーバ神殿へ双眼鏡を向けるルパン。
と、そこに映ったのはアラビアのロレンスの娘、メッカ特別警備
長官パトラ・ロレンスだった。
これがまさに言葉違わぬ絶世の美女!

ところが彼女もまた双眼鏡でこちらをうかがっている様子。
・・・と、突然ルパンたちにミサイルをお見舞いしてきた。
どうやらただの美女ではないらしい。
その後、金庫を偵察に行くも、金庫の恐ろしい仕組みに気付
いたルパンは手も足も出ず。仕方なく、体勢を立て直すために
一時退くことに。

しかしパトラはそれもお見通しだった。
ルパンたちのアジトで待ち伏せ、次元より早く44口径を
撃ち抜き、電撃サーベルで五右ェ門を負かして見せる。
美女はただのアラビアのお飾りなどではなかった。
その頭脳と腕前にはルパンも感服、大人しく捕まることに・・・。

牢の中でルパンは金庫を破る計算をする。
金庫は油田から石油を引き込んでいるため、誰かが金庫を破れば
油圧によって石油が殺人的な勢いで吹き出す仕組みになっている。
何とかしてこの油圧式金庫を止めなければならない。
「油を止めればいいんだ」チョーク片手に壁から床までミッチリ
計算式を書き込みながらルパンが一人ニンマリ。
しかし、どうやって止めればいいのだろう。

そうこうしているうちに処刑の時間がやってきてしまった。

処刑されるというのに、最後にタバコを一本吸わせてくれと余裕
のルパン。
タバコの火が暗闇にポッと点る。
それが目印だった。
はるか彼方で今か今かと刻を待っていた次元の目が光る。
ルパンの火を赤外線暗視スコープで確認するや、次元のライフル
が火を噴いた。慌てるパトラ。その隙にルパンは脱走。
もちろん計算高いルパンは、脱走する際パトラに盗聴器を仕掛
けることも忘れない。盗聴器で金庫の油を止めるヒントを掴む。

油田の地層は南極までのびていることを知ったルパンは、一路
南極へ飛び油田を掘り始める。呼び水の原理でメッカの石油を
止めてしまえというのだ。
見事思惑通りに石油を止められたルパンは大急ぎでメッカへ。
石油が抜けた金庫はいとも簡単に破られた。
・・・が、中から出てきたのはボロボロの巻物やがらくたばかり。
不二子の情報はガセネタだったというわけだ。

しかしこの話にはウラがあった。
実はパトラこそ不二子の変装だったのだ。
ルパンに南極に油田を掘らせることも計算の上。
すべては南極石油会社の依頼で、報奨金を手にして一人大満足の
不二子。と、そこへ一人の老婆がやってきて、私の名を語る不届
き者めと不二子に詰め寄る。
この本物のパトラ・ロレンスと名乗った老婆はルパンの変装。
何も言い返せない不二子から報酬の半分を抜き取ると、ルパンは
満足げに笑うのだった。


■見どころ■ ポイント1:パトラは実は―――   「そうだったのか!」「そうきたか!」「やられた!」   と驚ける先の展開が読めないところが憎くて嬉しい。   秘密を知った後、もう一度見直してみたくなる作品。   しかもつまり、パトラの宮殿での神への独白シーンも、   ルパンに南極に油田を掘らせるために不二子がわざと言った   ことになる。   盗聴器がついていることも、ルパンがどういう行動を起こすか   も全てお見通しだったのだ。そう考えると、不二子もかなりの   知能犯。   しかし先の先を読むのが不二子なら、それを含めて全て分かっ   てるのがルパン。   互いが裏切りあって裏を読みあって・・・この回は互いの思惑   が見えないところで混線しまくっているのだ。   見方を変えて二度三度と楽しめる作品。   それにしてもパトラは確かに新ルで5本の指に入るのではない   かというほどの絶世の美女。   スッと鼻筋の通った顔立ちに華奢な体からは想像もできない   機敏なアクション。次元を「雑魚」と言っただけあって拳銃   の腕前も超一流。岩陰でルパンと顔を合わせてキョトンとする   次元の顔がかわいい。   散々「雑魚」と言われて、終いには頭だけ出して穴に埋めら   れる次元の悔しがりっぷり(特に口の形)がまた乙。   こういう活動的なヒロインは大好き。   (結局不二子なんだけど/笑) ポイント2:ルパンの表情   パトラの美女っぷりもさることながら、ルパンの顔が整って   いていい。表情がいい。   ラスト、飛行機の中で不二子に言い詰めるルパンの表情の変化   が最高にイイ。「何か文句ござ〜ます?」「ございません」で   最後の最後にぷぅっと頬を膨らませる不二子の顔もユーモラス   でチャーミング!   この回は作画がいいのが実にツボ。 ポイント3:その表情の中でもイチオシは「最後の一服」。   まるで他人事のように銃殺刑の時を待っているルパンの   惚けた顔。ルパンが煙草を吸いたいと言って火をつけて・・・   この一連の表情が好き。唇の角度が好き。   しかも処刑されると言うのにルパンは完全に余裕。   そして、手筈を打ち合わせていたわけでもないのにルパンの   行動を理解しピンチを助ける次元―――・・・   2人の「あうん」の呼吸を垣間見るシーンでもある。
■データ■ <放送日>  1980年8月25日放送 <スタッフ>  脚本/高階航  絵コンテ/青木悠三  演出/御厨恭輔  作画監督/北原健雄、児玉兼嗣 <キャスト>  上田みゆき、鈴木れい子、幹本雄三、笹岡繁蔵、長堀芳夫
■プチ用語■ ルガースーパーブラックホーク44口径  パトラが使った銃。ジェットマグナム入り M−ガーランド  次元がルパン救出に使った銃。赤外線暗視装置付き パトラ・ロレンス  アラビアのロレンスの娘(不二子の変装)。  本物なら大正7年生まれのお婆さんであることからルパンが  偽物と見抜く。


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