Review & Memo


新ルパン三世
148話 『ターゲットは555M』
 




■あらすじ■

夜明け前の荒野に、黒い影が2つ。
「用意はいいぜ、ルパン」「狙いはここだ」額に印をつける
ルパン。ルパンの額に狙いを定める次元。
トリガーに次元の指がかかる。
荒野に轟音が響き渡った。

命中。


・・・と、これは予行演習。
ルパンの目の前には透明の防弾ガラスがあったのだ。
ガラスにのめり込んだ弾。しかし貫通はしていない。

実際はこの3倍の防弾ガラスなのだ、とルパンは言う。
「やれるか?」
「無理だ・・・と言ったらどうする」
「お前は言わないさ」
「だったら聞くなよ」。



今回ルパンの狙っているのは、ダイヤモンドオークション。
マリンタワーの最上階にある展望室で開催されているのだが、
問題はその防犯装置。床にも天井にも高圧電流が流され、
窓ガラスは分厚い防弾ガラス。
タワーの周りには銭形率いる警官隊が目を光らせている。
次元はそのマリンタワーから555M離れた場所に設置されて
いるクレーンの上から、この防弾ガラスに一つの穴を開け
なければならないのだ。

風に揺れるクレーンの上で寝そべり、分厚い防弾ガラスの
たった1点を何度も何度も狙い打つ次元。
その頃銭形は、展望台に続くたった一つのエレベータの
出入り口にいた。
必ずルパンが現れる、と鼻息荒く待ち構えていると、暗闇から
現れたのは五右ェ門。銭形らが動くより前に五右ェ門が
素早くナイフを放ち、ナイフがエレベータのボタンに突き刺
さる。そして、そのまま逃げる五右ェ門。銭形の背後で静かに
エレベータが動き出す。
すぐさま警官の一人がエレベータの異常に気付く。
建物の外を伝うように設置されているエレベータは、全面
ガラス張りになっているのだが、今まさに上昇していこう
としているエレベータのガラスが白く曇り始めたのだ。
犯人はもちろんルパン。
上昇するエレベータの中で、ルパンは煙幕をたきながら、
オマケに「は〜っ」とガラスに息を吹きかけていた。

真っ白に曇ったガラス張りのエレベータを銭形がにらみつけた。
「さてはルパンだな」

展望室にエレベータが到着する。
扉が開いて、煙幕の中から出てきたのはルパン。
だが床には高圧電流が流れている。あとは次元の腕前を信じる
だけ。ようやく次元の弾が防弾ガラスに穴を空けた。
そして最後の1発が、その穴を貫通してエレベータの壁に
張り付く。その弾にはワイヤが繋がれている。
ルパンはそのワイヤを使ってショーケースの上に移動し、
ダイヤを見事手に入れる。
あとはエレベータの外壁に五右ェ門が穴を空け、そこから
脱出するのみ。

しかし、そこで予期せぬ出来事が・・・。
省エネのためタワー内の電源が切られ、エレベータが途中で
止まってしまったのだ。
朝まで電力は復旧しない。
このまま朝を迎えれば間違いなく銭形に捕まってしまう。
ルパンは決意した。五右ェ門にエレベータのワイヤを切断させ、
五右ェ門のあけた穴の前を通過する一瞬のタイミングを狙って、
その穴に飛び出そうというのだ。
1秒でもタイミングがずれればエレベータもろとも地面に叩き
付けられて即死だ。
目にも止まらぬ速さで落下するエレベータ。ルパンと五右ェ門
の目が合う。
ルパンの決死のジャンプ。必死にその手を捕まえる五右ェ門。
次の瞬間、地上に叩き付けられたエレベータが大爆発を起こし
た。間一髪を脱したルパンたちは、手柄のダイヤモンドを手に、
誇らしげに笑みを交し合ったのだった。


■見どころ■ ものすご〜〜〜〜くお勧めの1本。 次元ファンには説明する必要もないくらい有名な1本。 ポイント1:冒頭のやり取り   ここ。もう何と言おうとここ。ここだけでご飯3杯はいけて   しまう。夜明け前の薄明かりの中(ポイント)、静かに交わ   される短い会話(ポイント)、不敵に笑うコート姿のルパン   (ポイント)に向かって静かに銃口を向ける次元(ポイント)。   何が起こるんだ!!という緊張の中(ポイント)、一発の銃声   (ポイント)、ルパンの額に命中する弾丸(ポイント)。   ここまできても何が起こったのかわからない!(ポイント)   ・・・とチェックポイントの連続。   一瞬たりとも目が離せない(離させない)どころか、冒頭から   完全に引き込まれてしまう。   そこにトドメを刺すように流れるBGMが次元のテーマ   「トルネード」。   そしてこれら全てがポイントなんだけど、ここの撃った瞬間の   描き方がまたビリビリくるほどカッコイイ!!!!!   同じ手法を逆にズームインする形で後半のルパンの落下シーン   でも使ってるが、ここもまた迫力があってうまいなぁ〜。   うまいなぁ〜!!   と嬉しくなってしまう。 ポイント2:冒頭のやり取りでの緩急の使い分け   ものスゴ〜く緊張感があったかと思いきや、素っ頓狂なルパン   の声。ニヒッと笑う顔が滅茶苦茶愛らしい。   キコキコと自転車をこぐ次元。途端にスコーンと肩の力が   抜ける瞬間。このギャップがルパンらしくて大好き。 ポイント2:冒頭のやり取りで交わされる会話。   そしてやっぱりシリアスに戻ってこの会話。完全にノック   アウトさせられる最高の名言。金子さんの脚本はとにかく   痺れるセリフのオンパレード。   この会話のセンスにはただただ感服感動。 ポイント3:次元のプライド   555mで、風も悪条件。それをガンマンの意地とプライ   ドで乗り切ってみせる姿に痺れる。 ポイント4:最後まで手がわからない展開。   どうして555mなのか、どうして五右ヱ門はエレベータ   のボタンを押したのか、どうやって盗むのか・・・   上手くいったと思いきや、全体の8割が終わった時点で   どんでん返しで大ピンチ。一連の展開が全く読めないとこ   ろが面白い。 ポイント5:ルパンの賭け   タイトルからしてこの作品の主役は次元と思いがちだが、   実際は五右ヱ門も主役、ルパンも主役。   単純に「555m先のターゲットに穴を空けた→お宝ゲット」   で終わらないところがルパン。   ちょうど半分の時点で“555m”は成功しているのだ。   (ぎゅぎゅっと凝縮されたストーリーも昨今のTVSPとの大き   な違い)。特にルパンの最後の脱出シーン。ルパンの覚悟も   去ることながら緊迫感がスバラシイ!   色の使い方もインパクト大。「複製人間」の絞首刑台を彷彿   させる真っ黒な画面に突如現れる「板」に、色を抜いた   真っ白な世界。究極のスピード感と緊張感。   そして、絶妙なタイミングで流れるBGM。   落下のシーンは冒頭のやりとりに負けず劣らず鳥肌が立つ   くらいの興奮が味わえる見所。心底魅せらる。 ポイント6:ピンクのドレスを着たフランス人形   緊張感があるんだかないんだか、という次元の粋で洒落な   名セリフ。   何度も言うようにこういうところがいい。   一仕事終え、ポッと火をつける次元の満足そうな顔もいい。   やはり銃を持ったときの次元が一番生き生きしている。 ポイント7:ナンセンス   「働かざるものいただくべからず、だとよ」と言って不二子   のヘリに息を吐きかけるルパン。   こういうナンセンスな面白さも新ルの特徴。
■データ■ <放送日>  1980年8月25日放送 <スタッフ>  脚本/高階航  絵コンテ/青木悠三  演出/御厨恭輔  作画監督/北原健雄、児玉兼嗣 <キャスト>  上田みゆき、鈴木れい子、幹本雄三、笹岡繁蔵、長堀芳夫
■プチ用語■ ミス・オリビエ  マリンタワーの防犯装置の説明をするインテリ風のおばさん。  実は不二子の変装。 ピンクのドレスのフランス人形  「やぁ思い出すぜ」  「何を」  「ガキの頃、縁日の射的でな、あと1発のところで弾がなく   なって泣きを見たことがある」  「何を狙ったんだ」  「ピンクのドレスのフランス人形さ」  ルパンと次元の有名な会話。


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