Review & Memo


新ルパン三世
137話 『華麗なるチームプレイ作戦』
 




■あらすじ■

宝石博物館の“クレオパトラの涙”をいただきに参上したルパン。
博物館に侵入し、“クレオパトラの涙”が飾られる予定の展示室
を偵察する。
入り口は二つ。鉄格子つきの窓が二つ。展示台を囲む柵には高圧
電流が流れる仕組みだ。
柵の中は床に針一本でも落ちれば防犯ベルが鳴るようになって
いる。宝石をおおうのは頑丈な特殊強化ガラス。
いったん宝石がガラスの中に入ってしまったら盗み出すのは相当
困難な様子だ。

その時だった。
防犯カメラでルパンを監視していた銭形の率いる警官隊が飛び
込んできた。逃げるルパン。
もう少しで捕まりそうになるものの、そこはルパンの腕の見せ所。
ほんのわずかな隙を突いて銭形と入れ替わり、警官たちをだまし
て銭形を連れ去ることに成功する。

そしてそのまま銭形を監禁したルパンは、単純なトリックで銭形
をだまして“クレオパトラの涙”に関する情報を得る。
――――宝石が博物館に着くのは明日の朝10時。

そうとわかれば早速トレーニング開始だ。

原っぱの真ん中に切り株、その上に置かれた小石をルパンが
投石で弾く。さらにそれを次元が銃で遠方へ弾く。宙に舞った
小石を狙うは五右ヱ門。
ヒュンッと矢を撃てば、矢に下げた袋が小石をキャッチし、
木にグサリ。
袋が傾き、小石は木の下のベンチに座っている不二子の胸元へ
ポトリ。

・・・とこれを目隠しで行うことがトレーニングなのだが、
息が合わずてんでバラバラ。
小石は顔面に直撃するわ、とんでもないところに矢は刺さるわで、
夕刻には4人ともタンコブだらけのボロボロ姿。

そして、そのチームプレイが試される時がやってきた。
翌朝、“クレオパトラの涙”が博物館へと運び込まれる。
警官に変装したルパンはニセ物の宝石を片手に展示室内、そして
次元は入り口の陰から狙いを定める。
五右ヱ門と不二子も配置について準備はできた。

高圧電流を流すために3秒だけ館内の電気が消える。それが最初
で最後のチャンスだ。
そして皆が見守る中、いよいよ館内の電気が消えた!
ルパンがニセ物の宝石を投げる!
“クレオパトラの涙”が飛び出す!
・・・1秒、
サイレンサー付きの銃で次元が弾き返す!
五右ヱ門が矢を射る!
・・・2秒、
矢は一瞬のうちに一方の窓からもう一方の窓へと空を切り、
矢によって運ばれた“クレオパトラの涙”がベンチの不二子の
胸元にポトリ。

・・・ジャスト3秒。

再び館内に電気が点る。
明かりが消える前と変わりなく、宝石は台の上にある。ただし
それはルパンが投げたニセ物の宝石。作戦成功だ!
勘のいい銭形だけがかろうじて気付いたが、時既に遅くルパン
たちは逃走した後。
ルパンらを乗せたベンツが走る。
見事成し遂げたチームプレイに各々満足げに笑うのだった。


■見どころ■ お勧めの1本。これも原作ネタ。 原作はアイディアが秀逸なものばかりなので、こういう原作ネタは 必然的に面白い。 ポイント1:冒頭、ルパンととっつぁんの追いかけっこがナイス。   ルパンととっつぁんのやりとりが始終面白い。   特にとっつぁん監禁シーンは本気なのか遊んでるのか?   涙ぐましい・・・!(けどおかしい)   よほど辛かったのだろう。   監禁されていた縄が外れて「形勢逆転!ルパン逮捕だ!」と   走り出すも、ちゃっかり足元の魚を咥えているとっつぁんが   おかしい。 ポイント2:ルパン→次元→五右ヱ門→不二子   4人の練習シーンが実に微笑ましく、プッと吹き出してしまう   ことも多々。   必死で怒るルパンの足元で、寝転んで返事をする次元のやる気   のなさと言ったら。   飛んできた石にホゲェッと顔をゆがめるルパンの情けない顔と   言ったら。「わざとやっただろーっ!!!!」と激怒する次元と   言ったら。どれもこれも思い出しただけで頬がゆるんでしまう   ほど可笑しい。 ポイント3:すべてはたった1度のチャンス、“3秒”のため。   特訓シーンこそ、本気にすればするほどふざけっぷりが際立っ   て可笑しいのだけれど、ラスト決めるときにはビシッと決めて   “魅”せてくれる。   たった3秒なのに、リズム感があってドラマがあって驚きが   あってまるでドミノ倒しでも見ているかのような気持ちのい   いチームプレイには思わず拍手。
■データ■ <放送日>  1980年5月28日放送 <スタッフ>  脚本/杉和幸  絵コンテ/石原泰三  演出/三家本泰美  作画監督/北原健雄、朝倉隆 <キャスト>  緑川稔、金尾哲夫、岡田吉弘、牛山茂
■プチ用語■ 「三死がなくて・・・五に練習」「苦がなくて十に成功」  それぞれ原作「新ルパン三世」82話、および83話。  この回に相当するエピソード。 石原泰三  コンテの石原泰三は、メイン演出の一人である三家本泰美のペ  ンネーム。特にシリーズ終盤で彼は傑作を多く残している。


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