■あらすじ■

パリで連続強盗殺人が起こる。犯人は五右ヱ門だという。もちろん
当の五右ヱ門には身に覚えのない話。だがやり口はまるで斬鉄剣に
よるもの。
そこに不二子が手紙を持ってやってきた。なんとそれは五右ヱ門か
らの挑戦状だった。
次の日、五右ヱ門は挑戦状にあったフォンヌ銀行へとやってくる。
そこへ現れたのは銭形。鋼鉄の壁に囲まれた五右ヱ門は、いつもの
ように斬鉄剣を抜く。ところが、壁が斬れない！？
呆然とする五右ヱ門。するとそこに突然現れたヘリコプター。
ヘリは強力磁石で斬鉄剣ごと五右ヱ門を連れ去ろうとする。
だがやってきたルパンが磁石をつなぐ鎖を撃ち、五右ヱ門を助け
出す。

アジトに戻ったルパンたちは、五右ヱ門の口から斬鉄剣の言い伝え
を聞かされる。それによれば斬鉄剣は夫婦剣で、男剣と女剣が一対
で作られたものだった。そして３００年に１度添い寝をさせなけれ
ば、どちらも切れ味が鈍ってもとに戻らなくなるというのだ。
五右ヱ門を陥れたのは、初代五右ヱ門のライバル、仁駄ェ門という
大泥棒。どうやら彼が女剣を持っていて、３００年目の狂のために
五右ヱ門の男剣を狙っているらしいのだ。

そこへ矢文が飛び込んできた。なんと仁駄ェ門によって不二子が
誘拐されたという。
ヘリに発信機を取り付けておいたルパンは、発信機を追ってとある
古城へと向かった。
トラップだらけの古城を抜け、ようやく仁駄ェ門の部屋へたどりつく
ルパンたち。しかしこのままではいずれ男剣も女剣も斬れなくなって
しまう。仁駄ェ門との取引の結果、添寝式をすることになった。
明朝８時まで添寝させ、斬れ味が戻ったところで決闘しようというの
だ。
儀式が始まった。男剣と女剣がテーブルの上に並べられる。すると、
剣が光輝いたかと思うと、ピタリと重なった。
あとは明朝８時、どちらが先に剣を取るかによって勝負は決まる。
じっと待つ五右ヱ門ら、そして仁駄ェ門。
ハッと気付く仁駄ェ門。いつの間にか眠ってしまっていたらしい。
焦って時計を見るが、まだ７時２９分だと知って安心する。
だが、７時半になると同時に五右ヱ門が斬鉄剣を手に取った！
まだ８時になっていない。全ては水の泡になってしまう！
怒る仁駄ェ門。だが斬れ味は戻っていた。仁駄ェ門が眠っている間
にルパンが時計の針を３０分ずらしていたのだ。
こうして、再び斬鉄剣は五右ヱ門の手元に。
反撃しようとした仁駄ェ門は、自分の仕掛けた硫酸のプールに
落ち、消えていくのだった。



■見どころ■

ポイント：ルパン、お見事！！！
　　古典的な手とは言え、スマートで鮮やかなアイディアには
　　感服するばかり。

※ちなみにこの回と「五右ヱ門危機一髪」は珍しく「五右ヱ門」
　表記。あと「五右ヱ門」と表記するのはとパイロットフィルム
　くらいで、新ル「五右ェ門の復讐」他、新ルの大半とパースリ、
　原作、バビロン、複製人間、風魔一族の陰謀などは「五右ェ門」。
　旧ル、カリ城では「五ヱ門」。
　（ただしカリ城の予告編では「五右ェ門」）
　ＴＶスペでは「バイリバ」が五右ェ門で、それ以外は「五ェ門」。
　（← 一昨年と昨年のＤＶＤは購入していないので未確認）
　そんなこんなで大半は「五右ェ門」か「五ェ門」で、「五右ヱ門」
　表記は珍しいのだ。ま、結局は一緒なんだけど（笑）




■データ■

<放送日>
　1980年4月14日放送
<スタッフ>
　脚本／荒木芳久
　絵コンテ／御厨恭輔
　演出／御厨恭輔
　作画監督／北原健雄、児玉兼嗣
<キャスト>
　加藤修、小出童太、勝田直樹



■プチ用語■

仁駄ェ門
　初代五右ヱ門のライバルだった盗賊の子孫。ネーミングは歌舞伎
　俳優の片岡仁佐衛門から？