Review & Memo


新ルパン三世
126話 『地獄へルパンを道づれ』
 




■あらすじ■

とある邸宅にて、不二子とチェスを楽しむ美女が一人。
彼女の名はレディ・ブラック。レディ・ブラックは、不二子に
自分がルパンを殺せるかどうか賭けてみないかと提案してきた。
もしルパンが殺せなかった場合には、レディ・ブラック自慢の
宝石コレクションをあげると言われ、不二子も大乗り気。
さっそくルパンに電話をかけた。

不二子からの依頼と知って、五右ヱ門は反対。ルパンは五右ヱ
門に、不二子にだまされて死ぬかもしれないからと、形見にペ
ンダントを渡す。
そして、ルパンは「俺も」と五右ヱ門に続いておりようとする
次元を無理やり車に押し込むと、不二子の指定場所へと車を走
らせた。
不二子の罠だと知らないルパンはあっさりレディ・ブラックに
捕まってしまう。
そして、トレーラーで連れてこられたところは無機質な部屋の中。
いつものように巻き添えを食らってヘソを曲げる次元と共に、
とりあえず部屋を出てあたりを偵察することに。
ところが部屋の外はトラップだらけ。巨大な鉄球が襲い掛かって
きて大慌てで逃げる二人。
飛び込んだ先にあったのは殺人ビリヤード場。巨大な鉄球は自由
自在にルパンを追い掛け回し、あわや押しつぶされそうになって
しまう。
間一髪のところを機転で脱したルパンたち。

しかし一息つく間もなく今度は水攻めの罠。
逃げ込んだ部屋にもこれまたトラップが仕掛けられているらしく、
上を見れば天井がどんどん下がってくる。
天井の穴から抜け出そうとすると、なんと上はモグラ叩き。
慌てて頭を引っ込める二人。足元の水かさはどんどん増えてくる。
いずれにせよこのままではペチャンコだ。
何かを閃いたルパンは、次元にモグラ叩きのおとりになってもら
い、降ってきたハンマーにすかさず飛び移った。
そして配線盤を破壊してしまう。

あと一歩のところで逃げられてしまうルパンに、モニターで様子
を見ていたレディ・ブラックは突然狂い始めた。
実は彼女は男だった。昔、ルパンが愛した女性の息子だったのだ。
母親を奪われたと思い込んだ彼は、ルパンが女に負けるところを
見たいと、ただそれだけのために女装をしてルパンに挑戦を続け
ていたのだ。
だが、いつもルパンの方が一枚上手。
レディ・ブラックの目に狂気の光が――――

レディ・ブラックは最後の手段にと、ルパンのいる建物そのもの
を爆破しようとする。
だがそれを見ていた不二子も黙ってはいない。
不二子が仕掛けていた爆弾が爆発し、爆風に倒れるレディ・ブラッ
ク。不二子は急いでルパンに逃げろと連絡する。

だが出口が見つからない。
ふとこの建物がピラミッドの構造を模してつくっていることに気付
いたルパンは頂上の出口を目指して上へと登り始めた。
もうすぐ出口だ!

だが、そこに出口はなかった。
「くそォ」と悪態をつくルパンと次元。
確実に仕留めるためだろう、足元には毒ガスが充満し始める。
爆発の時が迫る。もうこれまでか。ぼんやりと意識が薄れていく。
その時だった。キラリと閃光が暗闇を切ったかと思うと、ルパンた
ちの真後ろの壁がゴッソリ抜け落ちた。見れば五右ヱ門の姿が!
実はルパンが渡したペンダントには受信機が仕込まれていて、ルパ
ンの位置が随時わかるようになっていたのだ。
見渡せばそこはだだっ広い海。先端だけ海面に出ている巨大なピラ
ミッドの頂上だった。
無事地獄のピラミッドから抜け出したルパンと次元。やがてピラミ
ッドはすさまじい爆音と共に海底に沈んでいくのだった。


■見どころ■ お勧めの1本。決して「傑作」というワケじゃないんだけど、深く 考えずに楽しむこともできるし、注意深く観察しながら楽しむこと もできるし、というわけで何度も見直してしまう作品なのです。 これは本気で語りだすと相当長いです・・・(苦笑) ポイント1:「ルパン覚えてろォ・・・」   ルパンに無理やり拉致される次元。睡眠スプレーを吹き付けら   れてバタンキューとひっくり返る次元。   ルパンにひょいっと担がれてる次元。妙に可笑しくて微笑まし   くて大好きなシーン。   睡眠スプレーをプシューと吹きかける時のルパンの勝ち誇った   横顔も必見。 ポイント2:動き   殴り合いのシーンのジャケットのなびき方を始め、でっかい金   の玉が出てきて地響きにふらつくシーン、階段を大慌てで上る   シーン、階段を上りきったところで曲がるシーンの次元の動き、   ビリヤード部屋に入った瞬間に壁をつかんで止まるルパンなど   など、実はすごく動きが細かい!!!   見ていて何度巻き戻して見たことか、と言うくらいこの作品は   随所随所の動きが最高にイイ。   そしてその中でも「超」がつくほど惚れているシーンがラスト   のSSKに乗って去るルパンたち。   全体的に動きが細かいのだけど、最後の最後でトドメを撃たれ   て「う〜んっっっ!!!!」と唸ってしまうこと請け合い。   ここはもう是非ともスローで見て欲しい。   一瞬のシーンなのに後部に乗った次元が発進した瞬間、ちゃん   と重心が移ってジャケットや髪がなびき、飛ばされそうになる   帽子を押さえている。新ルの中でも私にとっては筆舌に尽くし   がたいくらい大好きなシーン。 ポイント3:ルパンが爆死!!?   ルパンが瓦礫の下敷きに。   「ルパン!死ぬなよっ!!!!」と必死に瓦礫を除ける次元。   「・・・・ムダか。おっちょこちょいで女ったらしのとりえの    ないヤツだったが、こんなことになるんならここに来るのは    殴ってでも止めるんだったよ」   真顔でこんなセリフを言う次元がイイ(笑)    クライマックスでもうこれまで!!というピンチにも   「くそったれぇ。今度生まれ変わったらてめぇとは二度とくま    ねえからな」   「ははぁん。じゃあお前に借りた金は返さなくてイイんだな」   「な!ルパン!死ぬなっ!借りた金は返してから死ねぇ・・」   なんて死ぬ間際にも関わらず冗談言い合えるところが好き。   ちなみにこの直後のルパンの「ごえもぉぉん!」が「どらえも   ぉぉん!!」とダブって見えて仕方がない。 ポイント4:シリアスになりきれないトラップの数々   ビリヤードにもぐら叩き、そして極めつけの女装。遊んでいる   のかと思いきや、レディブラックにとってはこれが本気。   しかし「ルパンにとって僕はママのふろくだったんだ。」と   いうのが復讐の動機なのだから、一連のトラップも通りで納得。   要するにレディブラックの精神年齢は子供のままなのだ。   女装も然り。   そういうことでしかルパンに対する復讐の術が見出せなかった   哀しいキャラでもあったのではと。そんなわけでドタバタ劇に   も見えたり真面目に考察できたりと、見方一つで作品性が変わ   ってくるのもこの回が好きな理由の一つ。 ポイント5:↑(絵参照)   不二子の罠だと分かって、巻き込まれた次元が拳を振り上げて   大激怒するシーン。   ここは山田さんの言い回しがツボ(力説)。   「何もなぐるこったねぇだろっ」   「うるせぇ!女にデレデレしやがって、挙句の果てにダマサレ    てこれかよォッ!」   「まだだまされたって決まったわけじゃねぇっだろォ」   「キィッ!」   この回に限らず結構多いのだけど、何の気なしにルパンが口に   する「ねぇだろォ」は要チェック。   「ねぇっだろォ」の「っ」が好き。更に「だろ」の「ろ!」軽   く巻き舌なのだ。山田さんの特徴の一つにこういう小さい破裂   音「っ」が入ってくるだとか、R音が軽く巻き舌になるだとか   いうのがあるが、それの特徴が如実に現れたセリフ。この回は   2回も連続で使っているという点でポイント高し?(笑)   他にも山田さん独特の言い回しと言えば「だっけんども」や   「とっつぁ〜ん」のイントネーションなどなどなどが有名。   山田さんの言い回しネタだけでも語りだしたら四方八方に広が   って長〜〜〜くなってしまいそう。 ※まだまだ、細かい点を挙げたらキリがないこの作品。  次元がタバコを取り出すシーンで、小さいカットながらもちゃん  とジャケットにしまってるところまで描いてるだとか。  とっつぁんの表情についてだとか。  あのシーンやこのシーンのアングルだとか・・・
■データ■ <放送日>  1980年3月10日放送 <スタッフ>  脚本/杉村のぼる  絵コンテ/宮本一夫  演出/御厨恭輔  作画監督/北原健雄、児玉兼嗣 <キャスト>  三ツ矢雄二、大久保正信、勝田直樹
■プチ用語■ 三ツ矢雄二  当時まだ若手だった三ツ矢雄二がレディ・ブラックの声をあてて  いる。 もぐらたたき  1978年ごろから流行ったゲーム。 「ルパンを確認するまで、じっと我慢の子・・・」  とは銭形のセリフ。「じっと我慢の子」は、笑福亭仁鶴が子連れ  狼に扮したボンカレーのCMより。


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