Review & Memo


新ルパン三世
101話 『ベルサイユは愛に燃えた』
 




■あらすじ■

マリーアントワネットの宝冠についての情報を得たルパンは、
フランスのベルサイユ宮殿に忍び込む。
そこで出会ったのがオスカル。彼がルパンに宝冠の情報を流した
のだった。
相手は男であるにも関わらず、その美しさに妙に心がざわめき
慌てるルパン。
さて、オスカルの説明によれば、宝冠は宮殿内の総鏡張りの部屋
に隠されているという。
しかし800枚の鏡のうち、どの1枚を割っても宮殿が爆発して
しまうらしい。宝冠の隠された鏡を解くカギはただ一つ、マリー
アントワネットが死ぬまで身に着けていたというルビーの指輪。
ルパンは偶然その指輪と鏡に隠されたからくり仕掛けに気付き、
宝冠を手に入れることができた。
ところが、宝冠を手に入れた途端オスカルに催眠ガスを嗅がされ、
そのまま断崖から突き落とされてしまう。
オスカルは、実は貴族社会の復活をもくろむ黒百合党の組織の
一員だったのだ。

ところが、オスカルの真の目的は貴族社会の復活ではなかった。
宝冠を手に入れたオスカルは、黒百合党をも裏切り、飛行機で
逃走を始める。
そこへ、次元らに助けられたルパンが追いかけてきた。
飛行機の中で押し問答を始めるルパンとオスカル。
とそこへオスカルを追ってきた黒百合党が攻撃を仕掛けてくる。
やむなくルパンはオスカルに協力し、激しい銃撃戦の中、黒百
合党を叩き潰す。
そして、全てのカタがついたところで宝冠をかけてルパンとオス
カルの一騎打ちへ・・・。
ところがなんと、オスカルの正体は女だった。
呪いにより石にされた恋人アンドレと永遠の愛を貫くため、ルパ
ンに宝冠の青真珠を譲ってもらうオスカル。
そして、青真珠の中にあった人間を石に変える秘薬を一気に飲み
干すと、自らもアンドレに寄り添うように石へと変わっていった
のだった。



■見どころ■ 100回記念に一般から公募したストーリーを案に作られた作品 のうちの2本目。 ポイント1:「ここが好きだ〜!!」   高畑順三郎さんバンザイ!!・・・というわけで私、ファン   なのです。   毎度毎度この方が携わっている回では叫ばずにいられない。   脚の細さがたまらなくツボ。何と言ってもここ。   たぶん私の新ル好きの要因の一つはこれなんじゃないかと。   あのスラッと伸びたスタイルが最高に好きなのだ。華奢と   いうより、無駄な肉がないと表現した方がいいのかも。   (きちんと胸板はあるのも新ルの特徴)   特に走ってるときの“傾き具合”がスマートでスピード感が   あって大好き。「地獄へルパンを道づれ」もそうだったけど、   曲がり角を曲がる瞬間の体の角度はとにかく必見。   この回でもほんの一瞬なんだけど、前半でルパンとオスカルが   フェンシングで対決するシーンで、ルパンが絶妙なバランスで   体を捻って(傾けて)いる。   しかも腕や脚が極端に細長いから余計にスマートな動きに   見え・・・何度見ても見惚れてしまう。 ポイント2:ベルサイユのばら。   「相手は男だぜぇ。どうしちゃったんだいルパン君」とはオス   カルにドキドキしてしまうルパンの独り言。   「ありえないことではない」という五右ヱ門に対して   「よせよ、ベルサイユのバラ族だなんて気持ち悪いぜ」   と不満げな次元。   (「花嫁になったルパン」でも次元はルパンが男と結婚すると    知って激怒していた)   もちろん、オスカルは男装しているだけで本当は女。見てい   るこちらはそのことを知っているいるからこそ、ドキドキし   て焦っているルパンを面白く感じてしまう。   ここで注目したいのは「ルパン三世」と「ベルサイユのばら」   という全く異質なアニメを一緒にするという大胆な試みと遊び   心の面白さ。これこそ時代を常に反映し続けた「ルパン三世」   ならでは。   「シティーハンター」の中に「キャッツアイ」が出てきたり、   「ドラゴンボール」の中に「Dr.スランプ」が出てきたりと   よく似たお遊びはいくつかあるが、作者も系統も違う作品が   となると珍しい。今じゃこういう企画は滅多に見られない気が。 ポイント3:「ここも好き」   オスカルに見惚れて、挙句にだまされたルパン。   ・・・と、この回は珍しく次元と五右ヱ門のお仕置きシーンが   あったり。マストの帆に縛り付けられ、   「少しは頭が冷えたか!オスカルって妙な男に惚て散々いい   ように利用されてるってことだよ!」と次元がイヤミをチク   チク。ここの何が好きって、この後オスカルの飛行機を見つけ   たルパンが、マストをそのままハンググライダーにして追い   かけるという展開。   この船のマストをハンググライダーにしてしまうという発想が   大胆でイイ!!   ちなみに、馬車もろとも海に落ちたルパンを次元と五右ヱ門が   “マグロのように”釣り竿で引き上げるシーンもいい。   船に水揚げされたルパンはまるでマグロ扱い。   (水を吐かせるシーンも面白い/笑) ポイント4:サブキャラも魅力的な作画   オスカルの飛行士姿も凛々しくてステキ。アンドレの写真に   キスするシーンもそれだけでも絵になっていて見惚れてしまう。   やっぱりイイなぁ・・・作画。
■データ■ <放送日>  1979年9月17日放送 <スタッフ>  原案/木宮茂  脚本/大久保昌一良  絵コンテ/御厨恭輔  演出/御厨恭輔  作画監督/北原健雄、児玉健嗣 <キャスト>  ニ木てるみ、塩見竜介
■プチ用語■ 『ベルサイユのばら』  翌10月から同じ東京ムービー新社政策、日本テレビ放送の  『ベルサイユのばら』が放映が始まるが、キャラクターデザイン  のキャスティングは全くの別物。 「翼よ、あれがパリの灯だ」  冒頭のルパンのセリフは、太平洋無着陸横断飛行に成功した  リンドバーグの言葉から。


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